究極の100メートルマルチバンドループアンテナ

de JA1XYB & JK1ECZ




 長い間、心の中で温めていたアンテナシステムが完成しました。反射電力はいつでもゼロ(VSWR1.00です!

 1周100mのループアンテナを紹介します。1.9、3.5,7,10,14,18,21,24,28全バンドに使えます。アマチュアバンド以外でも整合が取れます。

周囲より100メートル高い山頂(海抜440メートル)平地に比べると飛びは別格、波長が長いほど差が出ます。地表の影響が軽減でき垂直面内の低い放射角の電波の減衰が少ないからです。

遠隔操作できるオールバンドチューナーです。リニアの出力につけたVSWR計の反射電力の表示はいつでもゼロです。

チューナーはアンテナ側だけでなく送信機チューナー間も整合しますのでコネクターや同軸・同軸切り替え器・バンドパスフィルターのインピーダンスのあばれ」も補正してしまいます。いつでもVSWRは1.00です。(VSWRをカップラーの位置で1.00に調整しても同軸やコネクターのあばれでシャックでの計測ではVSWRは1.00にはなりません!

特に10メガ以上では中心周波数で整合すれば概ね+-150KHZはVSWR1.00から1.02程度に収まります。VSWRの描写曲線は左右対称なU型になります。これはカップラーがアンテナと給電線(同軸)を完全に整合している証拠です。アナザイラーで測定すると残留リアクタンスは1Ω程度です。

人間プリセット!の使いやすいカップラーを紹介します。鉄塔のステージ(高さ15メートル)に設置されています。

 

水を入れたバケツをひっくり返したような大雨でもVSWRに変化なし!

 

 一度調整すれば雨が降ってもVSWRは変化がありませんが乾燥した季節はは無反射に調整したこのアンテナは翌日にリターンロスが40Db(VSWR1.02)程度になり数日かけて戻っていきます。雨の多い季節は雨が降ろうが晴れようがVSWRに変化は見られません。

 この原因は水平ループアンテナの内側は鉄塔、重量鉄骨の3階の倉庫、鉄筋コンクリートの居宅は構造的につながっており直流的には同電位(導電率が高い)であるためアンテナには影響が大いにありますが雨の影響はないものと思われます。ループの内側・下方は良好な導電体で埋め行くされているからです。

 ループの外側は地面(導電率が低い)であり土壌の含水率の変化が導電率に影響するものと思われます。しかし地表が濡れただけではアンテナの同調周波数に影響を及ぼすことが極めて低いと考察されます。雨の翌日に同調周波数が下がるのは地中に雨水がしみこみ導電がよくなったからと思われます。

 接地は地下5メートルに20メートルの鬼撚線、1.5メートルに40メートルの鬼撚線がリングに埋め込みそれぞれ2か所から引き出しています。しかし鉄塔の基礎は鉄筋コンクリートであり定規(基礎コンクリートに挿入する基台部分です。地上に露出する部分だけ亜鉛メッキ仕上げです)に鉄筋は溶接されています。倉庫の地中梁の鉄筋も同様に定規に溶接されており居宅の地中梁も同様に屋上スラブの鉄筋につながっています。これらは良好な接地であることは言うまでもありません。(鬼撚線は気休めです!)

 これらのことから雨によるアンテナの同調周波数が変化する要素を見極めることができました。アマチュア局の空中線の高さには限りがあります。近傍の構造物の影響を受けることは避けられませんがこれが吉となるか凶となるかはわかりません。

 結論として地上高が低いアンテナは直下が土の場合(導電率が低い)は雨による同調周波数の変移が多くなり、舗装されている場合は影響が出にくいことが分かりました。また、雨の影響は土に深くに浸透しないとアンテナに影響が出ないことも前に述べたとおりです。

 周波数が低い場合は地表波(垂直偏波のこと)は地面に沿って進みますが水平偏波は空間波と電離層屈折波です。導電率が高い地面では反射も多少期待できますが低い放射角の電波は地表で熱と化してしまうのではないでしょうか?。アンテナは導電率の低い地面から離すことが電力の有効利用と考えます。

※注釈:中波放送や時報局(JJY)の空中線が垂直なのは地表波を利用するからです。ラジオのバーアンテナは微小ループの一種ですコアはアンテナ実効高上げる役割をしています。微小ループと1波長ループは90度指向特性が変わります。ラジオのバーアンテナは縦にコイルが巻いてありますので垂直偏波を受けやすいのです。

 1波長近くの水平ループアンテナは理論上給電位置の反対側が同位相になりますから指向特性は上下になります。しかし、アンテナの近傍に大きな導電体にあったり、高調波で運用するなど垂直面内の指向特性はあまり気にすることはないと思います。実際の運用にあたっては不便を感じていません。

 

 



  今回のアンテナチューナーはハイパスタイプにT型カップラーです。送信機側は特殊な回路(CQ出版トロイダルコア活用百科 山村英穂著参照)です。非常に広範囲な整合が可能です。

バンド数は任意の10バンドです。自由に設定できます。



  シャックの操作パネルです。バリコンの角度は千分割で表示されます。2個のモーターはレバーを左右に倒し制御します。
メーカー製のオートアンテナチューナーはL型カップラーですので最小インダクタンスやキャパシタンスのスッテプに起因しVSWR1.00になる確率は
低いですがこのカップラーは簡単にVSWR1.00になります。気分爽快です。
 10個のLEDで運用バンドが表示されます。チューナーまで30メートル程度です。
 電源は+−12Vですので適当なACアダプターを2個使用しました。電圧は10から16ボルト位ならOKです。電流は数アンペアあれば十分です。






ケースはホームセンターで調達しました。侵入した雨水が溜まらないよう底には水抜きがあります。




大きなバリコン470PF2連をDCギアモータで駆動しています。ステッピングモーターでは力不足です。
組み立ては合板に下駄のような歯をつけ嵩上げしています。





帯電・被雷対策としての空中線近傍の負電荷バリアの形成

迎え放電(避雷針)の逆の発想もある!


 山の頂上なので帯電抜きをしています。鉄塔回りの深さ5メートルに鬼撚線のリングを入れてあります。建設時の接地抵抗は5Ω以下です。帯電抜きの接地深度を深くするとアンテナエレメント近傍の空間電荷(電子・陽子)の密度(電位)が変化し帯電しにくくなることがあります。直撃雷をある程度回避することができます。当局も気象の変化による帯電(静電気)ノイズが大幅に減少しました。

 単に接地すればよいというものではなく地表付近の電荷に影響を及ぼす必要があります。接地深度が重要です。夏場に高層で発生する雷は電子(負電荷)が多く裏日本で冬に発生する低層での雷は陽子(正電荷)の場合も多くあるといわれています。要は地表をゼロ電位としたときの雷雲との電位です。

 1:1の強制バランです。インピーダンスが全体に高いので細い線を3本撚り15回巻いています。FT240-43を2枚重にします。ループアンテナにバランを入れないと一端がアースされた接地型給電になります。ダイポールでも同じです。これにより同軸に不平衡電流が流れその輻射によりアンプIやテレホンIの原因となります。ハイパワーではシャックで感電も起きます。
 帯電抜きはこのバランのアース電位に取ります。勿論、バランを入れた時と入れない時または帯電抜きを施したときでは共振周波数は変わります。
 









5本の制御線で10個のリレーを制御するための回路です。アースは構造的にシャックにつながっています。
制御ケーブルは10芯です。モーター電源2本、バリコン位置情報信号2本、電源1本、リレー10個制御5本。




バリコンの角度情報の発信機(ポテンションメーター)の基準電圧発生用のDCDCコンバーターです。
供給電圧が変化しても発信機(ポテンションメーター)への供給電圧は一定に保たれます。





隣の電柱から平行2線式のフィーダ スペーサーは禁物、雨が降ると共振周波数が上がります。EMEのオープンワイヤーで嫌というほど味わいました。





顛 末



 このシステムはVSWRの測定位置はリニアアンプの出力付近です。観測値はカップラー前後のすべての要件を含んでいます。誤動作をするとVSWRは下がっていても同軸フィーダーに定在波が表れている可能性もあります。これを防止するためアンテナ側に強制バランや送信機側(チューナー内部に)にチョークを入れることが重要です。基本波障害で悩んでいる方の中には同軸、ケーブルに定在波が表れていることが多いのも事実です。VSWRが1となっても観測地点での数値です。給電点と送信機を結ぶケーブルの定在波の考察は大切なことです。

番外編!14メガHB9CVの給電線上に入れたL型カプラー

 給電点より電気長1/2λの位置です。VSWR1.3を1.00に改善バンドエッジでも1.2以下です。コイルのタップ出しがクリチカルです!。ヘアピンマッチを使ったビームアンテナは平衡給電しないとアンテナの方向によりVSWRが変化します。長年、この問題で悩んでいましたが給電点にバランを入れて解決です。雨が降ってもアンテナを360度回転してもVSWRは変化しません。平衡給電の重要さを思い知らされたことは言うまでもありません!
 注釈:ヘアピンマッチのエレメントはヘアピンの真ん中が中点です。しかし、ここを接地することは現実的ではありません。バランを入れ対応します。直接同軸をつなぐと左右のエレメント長が電気的にアンバランスになるため回転するごとに周囲の導電体からの影響が変化しVSWRが変わるのです。

 

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