14MHz 1.5λデルタ・ループの実験

de JA1XYB & JK1ECZ

 アンテナは理論上の自由空間に設置されることはあり得ず地表や周囲の構造物に依存し動作しています。短波・中波・長波帯はその傾向が強くな ります。

一辺が10メートル給電点の反対辺の中央で開放(絶縁)です。電流の腹は各交点(角)3か所です。三辺とも地上高15メートル水平設置で す。


先端開放なので電気的にはダイポールです。したがって平衡バランを入れないと給電線の影響がもろに出ます。給電インピーダンスは90Ωです が50Ω 用のバランでOKです。

同軸とのマッチングはFT-240 ♯43にテフロン線を巻きつけ広帯域変換トランスを作ります。(下記写真左側参照巻線比は4:5でインピーダンス比は16:25になります。

今回実験したアンテナは広帯域を実感できるループアンテナです。(VSWR特性は下記写真参照) 電離層反射では地表波のようにアンテナ設 置がが水 平か垂直かで偏波が決まるのではありません。このような多面アンテナは電波の到来方向により違った偏波を送受信します。また、雨天の時は地表 が濡れ良好な 反射板となる為格段ゲインが上昇します。



インピーダンス変換後のVSWRは虚数部零(共振点)で1.02です



マッチングトランスの内部。右は7メガで42KΩのコモンチョーク



最強のアナライザー




調整にはAA-230 アンテナ・アナライザーを使いました。これはJA1SCW  日下OMがウクライナから輸入し販売しているものです。追従する2番3番がない優れものです。小生の使用結果をもって自信を もってお勧め致しま す。これと同等以上のものは存在しません。

洗濯バサミ!



右9クランプテスター(左)コイル測定用結合器、これがあると電波を目で確認できます。コイルのインピーダンスを簡単に測定できます。

給電線のリニア出口のコモンチョーク



左の二つは14MHzで22KΩ右は3.5MHzで35KΩのインピーダンスをもつコモンチョーク、リニアアンプの出力直後に入れていま す。運用周 波数に合わせて高インピーダンスの物を装着します。アンテナの給電側にもコモンチョークのが入っています。コモンチョークは碍子と同じです。アンテナ給電側にも入れて下さい。同軸のアンテナ エレメン ト(設置も含む)への影響が断ち切れコモン電流による障害は極端に低減します。

コモンチョーク製作の勘どころ

FT240 43材を使用します。10メガ14メガでは1枚ずつ巻きます。7メガでは2枚重ねます。3.5メガでは他の材の方が良いと思います。コアは重ねるのと並べるのは意味が違います。並べた場合はインダクタンスは其々の和になります。1枚のコアのインダクタンスは巻き線数の二 乗に比例 します。43材は7メガから18メガくらいまでが高インピーダンスが得られます。勿論他バンドでも効果はありますが性能は落ちます。

リニアアンプの電源に入れたコモンチョーク


三相のRS及びST相に入れたリニアは一応Δ結線?で使用している「大進無線のキット」

14メガのHB9CV



番外ですが14MHz用広帯域HB9CVのVSWR特性です。これも広帯域です!放射器が二つあるので設計によってはもっと帯域を広げられ るかも? 50Ωのインピーダンスに対して中心周波数でリアクタンスは1Ω以下ですから、ま!いっか。