管球式リニアアンプ運用の勘どころ

de JA1XYB & JK1ECZ

 

単三配線200Vで1Kワットは大丈夫なのか?

 結論から言えば大いに問題があります。それはリニアアンプの構造に起因するものですが電源のレギュレーションに関係します。

 リニアアンプではプレート電流の変化が大きく、AC電源トランスの1次側の電圧が変化致します。

どんな立派なヒータートランスでも単相では1次側の電圧変化はそのまま二次側の変化となりヒーターの熱電子放出量が変化します。要するに直線性が失 われるのです。

 もしも、「への5番」のようなアンプを単相で使えは直線性が失われスプラッターだらけの汚い電波になるのは当たり前なのです。(知らぬは当の本人 だけ!)。

 大出力のアンプではヒーターを安定化するか別電源(三相の別相)にするなどすべきです。小生の実験ではTL-922などの3-500z*2では、 ヒータートランスを別相にすると尖頭値も800ワット程度の出力で50ワットほど伸びます。ヒーター電圧の変化はグリットバイアスを変化させたのと結果的 に同じことなのです。安定化しないことの方が不可解です。参考:電源を三相の逆v結線で動作させると電源のレギュレーションは良くなります。ただし居宅には三相は引き入れることができません。

 一般論として真空管アンプを自信をもって運用できるのは単三200ボルトでは500ワットです。何故なら、屋内の単三配線はリニアアンプのような 大きい負荷を想定していないからです。俗に言う「へなちょこアンプ」の主因は電源にあるのです。ただし、分電盤から14SQ以上の太い電線をはればレギュレーションは驚くほど良くなります。分電版からの距離が短い場合を除いてACラインにFケーブルを使うことは無理があります。

 昨今主流のFETアンプは定電圧回路の働きや広帯域増幅であるため、よほどレギュレーションの悪いところでなければ電源の心配はないと思います。

バイアス用のツェナーダイオードの破損の原因は何か?

 3極管なのに4極管のダイナトロン現象に似た現象で陽極電流が急に増大する事があります。この主たる原因はヒーター電圧が高すぎることです。電力 増幅管のプレート電流が多い状態でヒーター電圧を上げると真空管の内部でB電源がリークし電気的にヒーター(カソード)プレート管が短絡状態になります。 また、同調調整中にプレート電流計が振りきれ終段管をお釈迦にするるのも同じ原因です。この場合ヒーター電圧を下げて下さい。プレート電圧が高いのはあま り問題になりません。要するにヒーター電圧を下げることは真空管の増幅率を下げることなのです。

 TL-922ではこれらの原因によりツェナーが良く壊れます。200Vで運用する場合は商用電源の電圧を調べてください。高い場合はヒータートラ ンスの1次側のタップを変えヒーター電圧を下げて下さい。※注意:高圧トランスとヒータートランスは1次線輪がパラ接続になっているので二つのトランスを 分離しないと1次側(ダブル巻線)がバランスを失い発熱します。

 アイドリング電流に目を奪われがちですが大切なのは最大陽極電流です。これをjコントロールするのはヒーター電圧なのです。そもそも、アマチュア はヒーター電圧の安定化に無頓着なのは今に始まったことではありません。ヒーター電圧が適正であれば調整中に球を壊すことが激減します。

古いリニアアンプの留意点!パイマッチの第2高調波は−40Db程度です。

 真空管ソケットやバンドスイッチ、リレーの接点の接触不良です。特にバンドスイッチは注意が必要です。接触抵抗が高くなると出力が不安定になりス プラッターの放出原因となります。接点にばかり目を奪われがちですがシャフトとのリークにも目を凝らして下さい。タンクの同調がスムーズにいかなくなるの はロータリースイッチの故障の確率が高いです。

 勿論、管球アンプにはバンドごとにLPFを入れることはの常識です。18メガ以上では30メガのLPFで−50Dbは確保できますが14メガ以下ではパイエル回路でないと−50Dbは達成できません。定K型2段(−30Db前後)を入れればスプリアス 40+LPF減衰 30=70Db程度になります。

タンク回路のロード側バリコンの調整に注意!

 SSBのような振巾変調の場合にはロード側のバリコンは最大出力点ではなく5〜10パーセント位出力が落ちる点(容量の少ない方)にすることによ り直線性が保たれます。反対に設定すると歪んでスプラッターだらけになります。また、タンク回路や真空管がリークして故障する原因になります。

 真空管リニアアンプは共振(同調)回路の設定いかんにより電波の質は良くも悪くもなります。アンテナの形式によっても当然影響されます。ヒーター 電圧の変動も結果的には共振回路に影響しているのです。

最大出力の50パーセントで運用

 SSBではリニアアンプの最大能力50パーセン程度でお使いになることをお勧め致します。この出力が電波の質。や機器の安定性からして妥当なもの と思います。勿論、指定事項(出力)の範囲内です。

 電波質の指標にIMDがありますが計測できるのはAF段からファイナルまでの総合値です。リニアだけのIMD測定は大掛かりな装置が必要ですので簡単にはできません。。3次歪みは30D程度がほとんどですが35Dbあると音声のスペクトラムを観測値は帯域外のスプラッターは音声の高い方では帯域外は観測できません。(実は音声帯域内に出ているのです。だからスプラッターとは言わない!のかも・・・低い方(キャリア側)には音調によりスプラッター(混変調歪み)が観測できます。


 上級(1級)アマチュア無線局は他のアマチュア無線局の鏡でありますので他局の模範となるよう心がけてください!とは「むかーし」検査受検後の検 査官の講評の言葉です。免許状を受け取る時の喜びは何度検査を受けても良いですネ。小生及び家族が受けた検査は落成検査、変更検査、定期検査(今はない) です。数多く受けましたが臨時検査は一度も受けたことはありませんぞ!

真空管リニアの必需品継電器

 真空管アンプは制御信号(送受切り替え)が高圧大電流です。最近のエキサイターは小さな半導体で制御しているため真空管リニアに対応できません。 半導体やメカニカルリレーで中継しましょう。

※向かって左がアイコム用右はヤエス用継電器、白いジャックはALCの信号用です。(アイコムはRCAですがヤエスは専用ケーブルが必要です) 

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