最強の14MHzモービル・ホイップ・アンテナの取付と調整方法パートU

de JA1XYB & JK1ECZ
ベース・ローディングタイプのアンテナ全長1.9メートルの巻


アンテナの取り付け箇所は前か後ろのほうが一般に飛びがよいです。ハッチバックの場合は後ろのドアが最適です。車体はアースではありま せん放射器の 一部と考えてください。アースは大地です。

VSWRだけ注視するのは本末転倒!(手抜きにつき前回とまったく同じ文章です)

 一般にホイップアンテナの放射抵抗は33Ω位です。メーカの説明書には決まったようにインピーダンス50Ωと書いてあります。そこが落と し穴で す。放射抵抗とは書いてありません。リアクタンスを含めば大方のアンテナはVSWRは1.5に収まります。説明はある意味「ウソ」ではありま せんが「イン チキ」くさいです。そのままリグにつないでVSWRを理に適わない方法で測定しているの方が多いのも現実です。

 測定点のVSWRが低くもリアクタンス(虚数部分)を多く含んでいれば全く意味がありません。放射抵抗と同軸のインピーダンスを合わせる ことが必 要なのです。VSWRメーターだけでも理論を理解していれば調整が可能です。

 今回は正しい!モービルアンテナ設置方法を紹介します。測定誤差を軽減するため、リグまでの同軸は電気長で1/2波長(約7メートル)に 合わせま す。アナザイラーを使い先端短絡で14、1MHzに合わせました。しかし、この同軸を使用しても給電点の値を測定しているわけではありませ。 あくまで計器 を挿入した箇所の測定値である事に変わりはありません。この意味が理解できればはリグに接続したVSWR計見て「あんちょく」にアンテナの VSWRが高い 低いなどとは言えなくなります。アンテナと同軸の整合はR=同軸のインピーダンスとなった場合がVSWR=1となります。放射抵抗(R)と虚 数項(X)を を含んだインピーダンス(Z)を混同しないようにお願いします。


今回の伝送変換トランスは巻線を5本よじりました。コアはFT114-43です。同調しないので安物のフェライトコアでOK!

実戦のまえに理論を学ぼう(前とまったく同じ文章です)

 給電点で放射抵抗を実際に計ってみましょう。同軸の長さは10Cm程度にして下さい。適当な長さのケーブルでは意味がありません。電気長 1/2波 長に調整された同軸でも近似値が出ますが放射抵抗が50Ωからかけ離れている場合は同軸に波がのり周囲の影響(誘導)を受け正確な値は測定で きません。 33Ω前後にになった場合は50Ωに合わせるには16:25(5条巻4条目でタップ、インピーダンス比は4*4:5*5)の広 帯域の変換ト ランスを使います。FT240-43は50ワットではFT114-43で十分です。給電点とトランスまでの距離はなるべく短くします。
33:X=16:25 16X=825X=51(Ω) 約50Ω

  

測定結果はご覧のとおり。スイープピッチの関係でリアクタンスが0になっていませんが一寸ずらせば間違いなく0です!


14メガのバンドはチューナー無しで何処でもOKモービルのアンテナとは思えません。驚愕の事実です!
モービルは車体峨放射エレメントです。タイヤは碍子!


 上記の写真のごとく帯域幅やマッチングはまったく問題ありません。飛びも 最強です。短 波帯のモービルアンテナは車そのものがアンテナなのです。ですから取り付け位置(すなわち給電箇所)の選定は大切です。理論上は車の前か 後ろがよく、真ん 中は好ましくありません。
 口をすっぱくして言いますがメーカーのアンテナの設置説明には違和感があります。諸兄には失礼かも知れませんがメーカーはたかがアマ チュアと見くびって いるのかも知れません。現実、理論を正確に理解している人もほとんどいないのが事実ですからリアクタンスなどと表現したらへんなタンスだ と余計わからなく んるのも事実です。
 リグはFT817です。5ワットでは叫んでもわめいてもきずいてくれる人は少数です。TSSの保証認定で50ワットのリニアをつけまし た。しかし、一寸 心配なのはバンドごとにローパスフィルターが入っていません。30メガから上は定K型3段入っていますが14メガのCQ CQが28メガで聞こえる可能性があります。
 ここで紹介するのはスペアナがなくてもバッチリ性能が確認できる方法で14メガのローパスフィルターを作ります。要するに、アナザイ ラーのスイープ機能 と液晶画面をフルに活用します。リニアの回路はPPですので2倍の高調波は少ないはずです。2段の定k パイ型にします。教科書はCQ出版のトロイダル・コア活用百科です。
 ともかく、このアナザイラーは便利、インダクタンスもキャパシタンスも簡単に表示されます。おまけにスペアナの代役までします。(詳細 はJA1SCWで 検索してください) 下の写真がローパス・フィルターと測定状況です。リード線を短くするためW1JR巻がよいでしょう。設計周波数では 略無損失です。こ の種のフィルターは1/2の周波数でインピーダンスの乱れが生じます。この現象はどの周波数のフィルターでも同様です。スペアアナでは確 認できないイン ピーダンスの状況が一目わかるのもブリッジのよさです。
 蛇足ですがこれに気をよくし、ハイパワー設備(真空管リニア)のバンドごと(3.5,7,14)のローパスも製作しました。もちろん、 前からVHF帯 (30メガ)のLPFは入ってはいますが・・・電力が大きくなるとコアや巻線の選定も大変です。この種のフィルターはプラスチックケース にいれ一直線上に パーツを配置することが大切です。金属ケースに入れてもよい結果は得られません。1段当たり10デシベル以上の減衰が見込めます。

金属のケースではなくプラスッチクケースを使い一直線に部品を配置します。コアはアミドンです。フェライトはNG!

信頼できるダミーロードを接続して計測します。


設計周波数では無損失です。1/2の周波数でインピーダンスの間誰がありますが定Kの特徴です。スイープ幅は30MHzです。

※久々に保証認定制度を使ってみました。これはあくまで机上の保証です。後は免許人の良心に頼るのみです。保証認定の審査に屁理屈はやめましょ う。ごねる なら 簡易な免許申請でなく正規な申請でお上(総合通信局)にどーぞ!、正式な免許手続きによるものと簡易な手続き(技適・保証認定)は審査基準が当然 違うこと を理解しましょう。